代表理事市川 マヤ(居宅介護支援管理者・社会福祉士・ケアマネジャー)
2023年、陽だまりは法人設立から20年を迎えました。前身の任意団体時代を含めると23年になります。始まりは2000年に主婦5~6人で立ち上げた会員制の「たすけあい活動」でした。資金も後ろ盾もない中、「自分たちでできることをしよう」と始めたささやかな活動は、行政サービスでは補えない生活の困りごとが集まってくる場となり、1年後には会員数100人を超える規模となっていました。そこで、活動を続けていける体制を作ろうと2003年にNPO法人格を取得し、現在に至っています。
陽だまりは法人設立に当たって、理念を「子どもから高齢者までだれもが安心して暮らせるまちづくりのために、必要なサービスは私たち市民の視点で創り出す」と定めました。ここに込めた思いは、定住者にとってはもちろんですが、東広島に住むのがたとえ一時期であっても、縁あってこの地に来たのだから「ここで暮らせてよかった」と思ってもらえるまちにしたい、そのためには自分たち生活者の視点を大切にして、足りないものは行政任せにせず自分たちで創っていこう、という強い決意でした。それは、当時の中心メンバーに県外出身者が多く、自分たちのした苦労を次に来る人たちにさせたくないという願いでもありました。以来、一貫してこの理念に従って活動してきました。そうして生まれたのが、福祉有償運送(移動サービス)であり、放課後こどもくらぶ(学童保育)であり、コミュニティカフェfun fan 陽だまり(子育てひろば×多世代交流)です。
今、東広島市では他県他市から来た人たちが大変増えています。子育て世代、大学生、外国人、そして子どもを頼って来た高齢者など、背景や年代は様々ですが、地縁・血縁を持たない人たちです。そこで、陽だまりの役割も「困りごとのお手伝い」から「地域の居場所づくり」へと変わってきました。テーマは「支える、参加する、飛び立つ」、すなわち「困ったときに頼れる居場所」「活動に参加する人が自分らしく輝ける居場所」「陽だまりで経験したことを糧に次のライフステージへ飛び立つための居場所」です。これらの役割を持つ居場所をつくり、人と人とのつながりをつくっていく、それが「暮らせてよかったまち」につながるものと信じています。
陽だまりの航海はまだまだ続きます。次の20年もよりよい社会づくりに向けてその時代時代のニーズに応えられる団体であるよう、これからも一日一日を大切に積み重ねていきたいと思います。
副代表理事石井 弥生(放課後児童支援員、保育士、介護福祉士、ケアマネジャー)
陽だまりの目的と役割は「制度からこぼれ落ちてしまう人たちの受け皿となるような仕組み作りを継続する」「人と人とのご縁が生きがいや喜びにつながるよう大切にする」「東広島市に住んでよかったと思えるような提案を行政に行い、協働していく」を掲げ、20年間活動を続けてきました。
陽だまりの根幹は「たすけあい活動」です。「出来ることを出来るときに」をモットーに活動をし、今や「困ったときの陽だまりさん」と、制度の狭間で行き場のない方たちの相談を多く受ける団体となりました。
金子みすゞの作品に「みんなちがって、みんないい」という言葉があり、私はよくこの言葉を使います。この20年間、事務局メンバーは6人から8人で構成されてきました。みな性格も、考え方も、力量も違いますが、同じ目的を持った仲間が互いを思いやり、支え、支えられながら運営してきたように思います。と同時に、陽だまりの協力会員さんも、あらゆる年齢、あらゆる環境の中、誰もがそれぞれの時間と容積を持っていて、陽だまりの活動に賛同し運営を支えてくれた素敵な仲間です。
設立から20年が経ち、中心メンバーが退いたあとも事業が継続出来るように、2023年からは、パナソニックの助成事業を受けコンサルタントと共に「組織基盤強化」に向けた取り組みを始めました。
これから先、法人も活動も、ここでつながる全ての人たちが輝ける場であり続けられればと思います。